オープニングだけで泣いたアニメは、後にも先にもこれだけかもしれない。

Vaundyが手がけた楽曲と、それに合わせたオープニング映像の完成度が異常だ。まだ物語が始まる前なのに、画面から伝わってくる感情の重さがある。見るたびに心が動く。

主人公のボッジは、耳が聞こえない小さな王子だ。力も弱く、誰もが彼を次の王に相応しくないと思っている。でもボッジは諦めない。影の存在・カゲと共に、王様になるという夢に向かってひたすら前に進んでいく。その姿が、見ていて涙を誘う。弱さを抱えたまま前に進む人間の強さを、これほど丁寧に描いた作品はなかなかない。

個人的に一番刺さったのが、義理の母・ヒリングの存在だ。序盤はボッジにとても厳しく、なぜここまで冷たくするのかと思っていた。でも物語が進むにつれて、その厳しさが深い愛情からきていたことがわかる瞬間がある。そこで受けた感動は、序盤の印象を全部ひっくり返すほどのものだった。

登場人物が全員、複雑な背景と感情を持っている。単純な善悪では語れないキャラクターたちが、ぶつかり合いながら進んでいく物語の厚みが、このアニメを特別なものにしている。

1期全23話、2期も放送済み。dアニメストアで視聴できる。