「ウィストリア:剣と魔法の戦記」は、王道と分かっていても熱くなってしまう作品だった。
魔法が使えない主人公ウィルが、それでも剣だけで突き進んでいく。弱者と思われていた人間が、誰も予想しなかった強さを見せる瞬間——そのカタルシスはやっぱり気持ちいい。「王道だから」と侮っていると、気づいたら画面に釘付けになっている。そういう作品だ。
ウィルの魅力はとにかく諦めないことだ。どれだけ追い詰められても、どれだけ笑われても、前に進み続ける。その姿勢が見ていて胸に刺さる。弱い立場から這い上がっていくストーリーがなぜこんなに響くのか——それはウィルの諦めなさが本物だからだと思う。
シオンとの関係性は特にシーズン2で感動した。ライバルとして対峙しながら、互いに高め合っていく二人の関係。最初は単純な対立に見えていたものが、積み重ねの中で全く別の意味を持ってくる。あの展開は正直予想していなかったし、気づいたら目が潤んでいた。
そしてエドワルド先生の存在が、この作品をひと回り深くしている。口は悪い。態度も厳しい。でもドワーフからも信頼されるような行動がとれる人間で、その不器用な熱さがじわじわ伝わってくる。ウィルに対して特に厳しいのは、かつての自分を重ねているからではないかと感じさせる描写があって、そこがとてもよかった。言葉にしない部分で語るキャラクターは強い。
王道だと思って見始めたのに、終わってみれば何度も胸を打たれていた。そういう作品がいちばん好きだ。