異世界転生もの、と聞くと「また主人公が無双するやつか」と思う人もいるだろう。このすばは違う。主人公のカズマが無双するどころか、パーティー全員が何かしらポンコツで、毎回ギリギリか失敗しながらなんとか生き延びているコメディアニメだ。

カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス——この4人の肩書きを並べるだけで、すでにおかしい。ヒキニートの冒険者、役に立たない女神、爆裂魔法しか使えない魔法使い、攻撃を避けない騎士。普通のRPGなら即解散レベルのパーティーだが、このすばでは全員そのまま冒険を続ける。

アクアは神様のくせに毎回足を引っ張り、泣きながら助けを求めてくる。めぐみんは一撃必殺の爆裂魔法を放った後、魔力切れで動けなくなるせいで毎回カズマに担いで帰ってもらう。ダクネスは騎士として盾になろうとするが攻撃が全然当たらない上に、ピンチになると妙にうれしそうにしている。カズマはそんな三人に毎回振り回されながら、現実的で小賢しい知恵でなんとか切り抜けていく。

この掛け合いが本当に飽きない。シリアスな展開になりかけても、誰かが必ずぶち壊してくれる。緊張感がゼロなのに、不思議と次の話が見たくなる。

頭を空っぽにして笑いたいとき、このすばは最強の選択肢だ。難しいことは何も考えなくていい。ただ画面の前でゲラゲラ笑っていればいい。そういうアニメがたまに無性に見たくなる。そんなときのために、このすばは存在している。