ゾンビが現れた瞬間、主人公は恐怖で震えるどころか歓喜した。「今日から会社に行かなくてもいいんじゃね?」——この一言で、このアニメの全てがわかる。
天道アキラは24歳、ブラック企業に勤める3年目の社員だ。終電まで働き、休日も出勤し、心も体もとっくに限界を超えていた。そこにゾンビ・パンデミックが直撃する。街が混乱し、人々が逃げ惑う中、アキラだけが逆に生き生きとしていく。仕事から解放された解放感が、恐怖を完全に上回っているのだ。この設定だけで1話から一気に引き込まれた。
アキラはすぐに「ゾンビになるまでにしたい100のことリスト」を作り始める。告白、合コン、日本一周——普通に生きていたら後回しにしていたことを、ゾンビだらけの世界で全力でやっていく。そのポジティブさが、見ているこちらにも伝染してくる。
このアニメのもう一つの魅力が、圧倒的な作画のきれいさだ。ゾンビが出てくる血しぶきまでカラフルでポップに描かれていて、普通のゾンビものの暗さや重さがない。世界観のトーンが終始明るく、見ていてとにかく気持ちがいい。
そして仲間たちの存在も大きい。クールで慎重なシズカ、陽気な友人ケンチョ、外国人冒険者のベアトリクス——それぞれが最初は自分のやり方で生き延びようとしているが、アキラのあり方に感化されていく。ゾンビだらけの世界で、なぜか人生を前向きに生きていく人間たちの群像劇がここにある。
怖いだけのゾンビものに飽きた人にこそ、見てほしい一作だ。
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