チョココロネの食べ方から話が始まる——そんなアニメが、なぜか止まらない。

オープニングが終わった瞬間、画面に映ったのはチョココロネの食べ方についての会話だった。太い方から食べるか、細い方から食べるか——それだけの話が始まり、続いてシュークリームの食べ方、ショートケーキのいちごをいつ食べるか、カレーのルーとご飯のバランスはどうするか、と延々と食べ物トークが続く。事件も、バトルも、感動も何もない。ただ女の子たちがどうでもいいことをしゃべっているだけだ。

でもなぜか、見続けてしまった。

「らき☆すた」は、高校生の日常をただ切り取っただけのアニメだ。主人公の泉こなたはゲームとアニメをこよなく愛するオタク女子で、ツッコミ担当の柊かがみ、おっとりした双子の妹つかさ、天然な才女・高良みゆきと一緒に、とにかくどうでもいい話をし続ける。勉強のこと、食べ物のこと、マンガのこと——話題は全部そんなことばかりだ。

それがなぜこんなに心地いいのか。たぶん、余計なものが何もないからだと思う。視聴者に何かを伝えようとか、感動させようとか、そういう気負いが一切ない。ただそこにある日常の空気を、そのまま画面に乗せている感じがする。

作業しながら流すのにも最適だ。BGM代わりにちょうどいい。激しい展開がないから集中を邪魔しないし、ふと画面を見ると誰かがくだらないことで笑っている。それだけで少し気持ちがゆるむ。

難しいことは何もいらない。ただゆるく笑いたい時に、このアニメはずっとそこにある。

全24話、2007年放送の京都アニメーション制作。現在はdアニメストアで視聴できる。