「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上。」

高校の自己紹介でこんなことを言い出す人物がいるだろうか。

初めて「涼宮ハルヒの憂鬱」を見た時、この自己紹介だけで一気に引き込まれた。主人公の涼宮ハルヒは、とにかく普通が嫌いな女子高生。宇宙人や未来人、超能力者の存在を本気で信じており、退屈な学校生活を変えるために「SOS団」という部活を立ち上げる。

しかし面白いのは、そのSOS団に集まったメンバーだ。

ハルヒは面白い人材を集めようとしていただけなのに、なぜか本当に宇宙人、未来人、超能力者が集まってしまう。そして、その事実を知らずに巻き込まれているのが、物語の語り手であるキョンだ。

キョンはごく普通の高校生だ。ハルヒの無茶ぶりに振り回されながらも、なんだかんだ面倒を見てしまう。暴走するハルヒを止めたり、部員たちの間を取り持ったりと、常にSOS団の良心として動いている。

この作品の魅力は、そんなキョンとハルヒの掛け合いにあると思う。

ハルヒはとにかく自由奔放で、自分がやりたいと思ったことを次々と実行する。一方のキョンは常識人としてツッコミを入れ続ける。そのテンポの良いやり取りが本当に面白い。

また、物語が進むにつれて、ただの学園コメディでは終わらないことも分かってくる。ハルヒ自身が持つ特別な力や、それを取り巻く宇宙人・未来人・超能力者たちの思惑が絡み合い、日常と非日常が絶妙に混ざり合った独特の世界観が作られている。

放送から長い年月が経った今でも、「涼宮ハルヒの憂鬱」が語り継がれている理由は、この唯一無二の設定とキャラクターたちの魅力にあるのだろう。

笑えて、ワクワクして、時には不思議な気持ちにもなる。まだ見たことがない人には、ぜひあの伝説の自己紹介から体験してほしい作品だ。

全28話、京都アニメーション制作。現在はdアニメストアで視聴できる。