早くくっついてくれ、と思う。でも同時に、このままずっと見ていたい、とも思う。この矛盾した感情を毎話引き出してくれるのが、このアニメの罪なところだ。

浅葱優希也と桜みくは、同じ高校に進学した両片想いの幼なじみだ。お互いに好きなのに素直になれない。小6のときに始まった「愛してるゲーム」——交互に「愛してる」と言って、照れた方が負け。今でもずっと続けるこの意地の張り合いが、二人の距離を縮めているようで、縮めない。

この設定がずるい。ゲームという名目があるから「愛してる」と言い合えるのに、本音はそこに全部詰まっている。優希也もみくもそれをわかっていて、でも認められない。その不器用さが、見ていてたまらなく愛おしい。

二人の掛け合いはひたすらイチャイチャしているのに、なぜか甘酸っぱさが勝る。距離が近いのに遠い。気持ちが伝わっているのに伝わっていない。そのもどかしさが、毎話ちゃんと積み上がっていく。

くっついてほしい気持ちと、このままでいてほしい気持ちが同時に存在する——ラブコメとしてこれほど正しい感情を引き出してくれる作品は久しぶりだ。感情が矛盾するのは、それだけ二人のことが好きになっている証拠だと思う。

2026年4月14日より放送開始の春アニメ。dアニメストアなどで視聴できる。