「ねずみの初恋」は、読んだことのない空気感を持つ漫画だ。

純粋なラブストーリーと裏社会のバイオレンス——この二つが同じページの中に共存している。普通なら混ざり合わないはずの要素が、強烈なコントラストを生み出していて、それがこの作品の唯一無二の魅力になっている。

主人公のねずみちゃんは、裏社会で生きる人物だ。殺しモードのときは冷酷で、読んでいてゾクっとする。でも恋愛モードになった瞬間、そのギャップが凄まじい。恋を知っていく様子がとにかくピュアで可愛くて、思わず「守りたい」という気持ちになる。同じキャラクターとは思えないほどの落差が、読んでいて癖になる。

そして、ねずみちゃんが少しずつ人の心を取り戻していく過程が引き込まれる。感情を知り、誰かを大切に思うことを覚えていく様子が、丁寧に描かれている。その変化が積み重なるほど、この先どうなるのかという不安も大きくなっていく。

準主人公のあおくんの正体がいまだに明かされていないのも気になって仕方ない。何者なのか、ねずみちゃんとどんな関係になっていくのか。ラストが怖い気もするけど、目が離せない。そういう作品だ。