「太陽よりも眩しい星」を読んでいると、不思議と心が洗われる気持ちになる。悪意を持つ人間が誰一人出てこない。河原和音先生の作品らしい、じんわりとした優しさが全編に漂っている。

登場人物が全員尊い。一部ちょっとアホなやつもいるけど、それすらも愛おしい。誰かを貶めようとする人間がいないから、純粋に恋愛を楽しめる。まっさらな気持ちで読めるのが、この作品の大きな魅力だと思う。

中でも神城くんがとにかくいい。王子様すぎないのが絶妙で、英語が苦手だったり、昔は背の低さにコンプレックスを持っていたり、人間らしい部分がちゃんとある。それでいて自然体で魅力的で、読んでいて「かわいいな」と思う瞬間が何度もある。完璧すぎないヒーローというのは、こういうことだと思った。

主人公のさえちゃんも悪意がまったくない。素直で真っ直ぐで、応援したくなるキャラクターだ。そして物語のある場面で、控えめな彼女が見せる勇気ある行動には、思わず胸が熱くなった。

爽やかで、もどかしくて、でも楽しい。読み終わったあと、なんだか清々しい気持ちになれる作品である。