「青春とは嘘であり、悪である」。こんな作文を書いた高校生が主人公のラブコメは、他にないと思う。

比企谷八幡は、ひねくれた性格で友達を作ることを諦めた高校生だ。そんな彼を心配した生活指導の教師・平塚静によって、半ば強制的に奉仕部に入部させられる。そこで出会うのが、完璧美少女の雪ノ下雪乃と、クラスの人気者である由比ヶ浜結衣の2人だ。

この2人のヒロインが、それぞれ全く違う魅力を持っているのがたまらない。雪乃は普段は凛として隙のない態度を崩さないが、ふとした瞬間に見せる恥ずかしがる姿が反則級に可愛い。完璧であろうとする姿勢の奥にある人間らしさが垂れ見えた時、こちらまで動揺してしまう。一方の結衣は、駆け引きなんてせずに直球で八幡との距離を縮めようとする。素直でまっすぐな可愛さがあって、見ているだけで応援したくなる。タイプの違う2人だからこそ、どちらにも惹かれてしまう人が多いんだと思う。

そしてこのアニメの大きな魅力が、八幡の言い回しだ。皮肉とひねくれた価値観をベースにした語り口が独特で、雪乃や結衣との掛け合いが毎回面白い。八幡が何かを言えば、雪乃が冷静に切り返し、結衣がツッコむ。このテンポの良さが、このアニメ最大の見どころだと言ってもいい。

奉仕部に届く依頼を解決していく中で、3人の関係性が少しずつ変化していく過程も丁寧に描かれている。タイトルにある「青春は間違っている」という価値観を持つ八幡が、本物の関係性を見つけていく様子が、笑いとほろ苦さを伴いながら進んでいく。

ラブコメというジャンルでありながら、ただ甘い展開を続けるだけじゃない。人間関係のリアルさや、本音と建前のせめぎ合いを描いているからこそ、見終わった後にじんわり残るものがある。

1期・2期・3期合わせて全37話+番外編。dアニメストア・DMM TV・U-NEXTなどで視聴できる。